VOL.1
【舞台美術がやりたい!!】
 そう思ってこの舞台芸術学科を受験・入学してから早くも一年が過ぎた。
 まず、私は先輩方の舞台公演に美術のお手伝いや小道具担当として参加させてもらい、1回生の終わりには同期の仲間と自主企画公演をすることができた。
 ここで初めて念願の美術チーフをしたのだが、サイズミス、平行垂直の狂い、そして何よりもチーフとして最も重要である指示出しが全く出来ない自分の力不足に愕然とした。もっと知識と経験が欲しいと思った。
 上の写真は7月、授業外で自主的に制作した映像のセットです。製作期間1ヶ月。来る日も来る日もこのセットの事を考えていた。毎日ナグリ(とんかち)を持ち木材を焼いて、切断して、組み立てて、塗装して・・・
 時間に追われながらも私の全てをこのセットに費やした。そして、何人もの先輩・後輩・友達が手伝いに来てくれて自分の作品のように愛情を注いでくれた。バラシ終了時に後輩が言ってくれた「終わっちゃうのが寂しい」という言葉が何よりも嬉しかった。私一人では絶対に無理なものを皆のおかげで作り上げる事が出来、本当にいい仲間に出会えたことを感謝している。
 うん、満足した、いやいや、満足なんてしたくない。私はもっとかっこいい美術を作りたい。もっと知識が欲しい。そのために毎日を大切に 限られた時間の大学生活、好きな事を思いっきり真剣にやっていきたい。
                           2回生・木岡 菜津貴

【考えを人に説明できる事】
 気がついたら3回生になっていた。そんな感じです。僕は主に出演者という立場が大学の舞台企画に参加してきました。「主に」と書いたのは時として出演以外に振付けや演出助手、舞台監督といったスタッフ業も担当した事があるからです。
 この学科では出演と裏方、その両方を行ったり来たりしながら舞台作品に向かう事ができます。
 3回生になった今、山田せつ子先生のダンスクラスを履修しています。このクラスでは一年間を通して授業を行い、最後に発表公演を行います。
 振付け出演から、照明、音響、舞台美術、小道具、衣装、チラシデザインに 至るまで全て自分たちで行います。
 生徒の自主性を尊重しながら足りない部分(と言ってもたりない所ばかりですが)随所を先生の経験と作家性が補強します。先生の言葉は基本的に「提案」で生徒はそれを退ける事もできます。但し、先生を納得させられるだけの説得力がある意見があればの話ですが。大抵の場合は先生の考えの方が面白いし納得できるし強いです。キャリアの差を感じます。
 授業公演では、これまで経験して来たことも、考え方も年齢も育った環境も違う人たちが集まって一つのものを作るのですから これは本当に大変です。その中で必要なのは「自分の考えを人に説明できる事」です。
 受講生は先生の操り人形ではありません。あくまでも自分はどうしたいのか、何を踊りたいのかをこのクラスは大事にしていて、その核になる部分は自分の中から見つける他ありません。
プランのスケッチ
GATSBY CMコンペ『アクマのこだわり〜編』
制作風景
 しかし発見のお手伝いは出来ます。仲間同士で話し合い、助け合い、先生に助けられたり崖から突き落とされたり(良い意味で)しています。
 生徒と生徒が、先生と生徒が本気でぶつかり合いながら一つの作品をつくっていきます。手を繋いだり戦ったり、素敵な場所です。とても大変ですが 最後まで諦めずに粘り続ければ絶対にこの公演が終わった時「楽しかった!」と言える気がします。
 これが終われば もうあっという間に4回生です。本当に楽しくて忙しくてあっという間な学科です。
              3回生・尾上 一樹
「カンブリアカンブリア」より

 大学生活が始まってから四ヶ月が経とうとしている。
 元々、埼玉の端っこに住んでいた私が修学旅行以外で関西を訪れその上一人で暮らすなんて思いもよらないことだった。しかも日本が誇る京都に住めるわけだから思わぬところで夢が叶った喜びと期待に満ちていた。近所に世界遺産の神社があったり、祭りで道路が通行止めになったり、大学内の劇場に舞妓さんの行列ができたりといたる所で歴史と伝統を目にし、古くから都として息づいてきた京都の趣きを感じさせられる。
 そんな京都の地に作られ京都造形大学には独特のゆったりとした時間が流れている。意識が高く活気のある学生が集まり、学部内に留まらない交流ができ学ぶには最適な場所だ。
 私達は舞台芸術学科の一期生。素敵な仲間に囲まれ 悩みながらも好調なスタートを切った。「舞台」という全く関わりの無かった世界へ足を踏み入れた訳だから今まで何も知らなっかた私にとっては全てが新鮮で興味深い。授業はかなり専門的で一回生は舞台の基礎中の基礎を学ぶ。
 実技ではストレッチから演技の基礎、能や狂言といった伝統芸能まで、身体を使って学ぶ。今まで見えていなかった自分の身体に意識を向けることで毎回新しい発見がある。
 また講義では 映像を観たり、舞台芸術の最前線で活躍する方々のお話を聞いたり、戯曲を読み解くなど細かな部分まで学ぶ。今まで自分が解釈していた「舞台芸術」のイメージを大きく覆され毎回の授業が考え方や視野を広げるきっかけになる。先生も素敵な先生方ばかりで、授業と共に先生方に会える事も一つの楽しみになっている。
 また、授業外でも先輩の作品を観る機会があり、四年間の差を見せつけられ、自分の甘さに気付き身を引き締められる。とにかく刺激の多い毎日を送っている。
 今は色々な不安や焦りがあるけれど、とにかく素直に生活を楽しみ全てを負しまず今しか見れないものを見て体験して日々進化し続ける自分でありたい。
                                1回生・清水 蕗
【古都で学ぶ】

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